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【本当に欲しいものは何か】ドリルの穴理論から顧客の真のニーズをつかむ

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顧客やユーザーの真のニーズとは?

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ドリルの穴理論とは

マーケティングに関する有名な格言の一つに、

「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく”穴”である」

というものがあります。

 

この言葉は、ハーバード・ビジネススクールの教授 セオドア・レビットによるものです。

 

実際にドリルを買いに店に行った際の会話を想像してみます。

 

客「ドリルが欲しいのですが」

店「どのサイズのドリルで、どんな性能をお求めですか?」

客「このくらいのサイズで、回転数がこのくらいで…」

店「こちらのドリルをどうぞ」

客「購入します!」

 

客は無事にドリルを購入でき、何の問題もなさそうですが、

この客の本当のニーズは何か?を考えるときに、この理論が使われます。

 

ドリルを購入し、実際には「壁に穴をあける」ということが真のニーズであるととらえることができます。

 

穴をあける1つの手段がドリルの購入であるだけで、1回だけ穴をあけたい場合は、店側のサービスで穴をあけることも可能です。

 

その他にも、わざわざドリルを購入することなく、他の手段で目的を達成することもできます。

 

少数だとは思いますが、ドリルをコレクションしている人等は、ドリルを購入することが真の目的かもしれませんね。

 

大事なのは

客の真のニーズをつかむことが大事です。

 

客がどのような状態になりたいのか、本当に求めているのは何なのか、「顧客視点」の考え方は重要ですね。

 

より良い製品をつくるために、企業は熱意をもって商品開発に取り組みますが、自社製品への愛着が強くなり、顧客視点が抜け落ちてしまうこともしばしばあるようです。

 

例えばパソコンやスマホは、近年性能がかなり良くなっていますが、企業は、より大容量に、より高速化を、と力を入れていると思います。

 

容量が大きく使えることや、早く動作することが本当に顧客のニーズに合っているかということもしっかりと考えなければなりません。

 

ほとんど分からない程度の速度アップであれば、あまり意味がありませんよね。

 

システムに関しても同じように、ユーザーの要求内容が必ずしも真のニーズとは限りません。

 

既に、システムについて少し知っているユーザーであれば、なんとなく、できそうなこととできなさそうなことが分かるかもしれません。

 

可能性の低そうなことは無理だろう、と思い少々考慮した要望を上げた結果、真のニーズが隠されてしまいます。

 

開発者は、このように隠されたニーズがあることを注意しながら、システムを形作っていく必要があります。

 

現代社会において、顧客・ユーザーは多種多様なものになっており、様々な要望を持っています。

 

顧客・ユーザーについて理解を深めることが、ドリルではなく穴を売ることにつながるかもしれません。