この記事では、人間中心設計(HCD)専門家の資格の内容について記載しています。
人間中心設計とは?
人間中心設計(Human Centerd Design)とは、人と関わるものやシステムを設計する際に、ユーザーの立場や視点に立って行う設計のプロセスのことを言います。
私はメーカーに勤めていますが、作っているものには必ずそれらを(ユーザー)がいます。
もの作る側もユーザー視点を持って設計することで、ユーザーが満足する商品を目指せるのではないかと考えており、人間中心設計(以下、HCD)に興味を持っています。
そんな中で、HCDに関する資格があることを知りましたので、紹介します。
HCD専門家の資格とは?
HCD-NetというHCDを推進している機構がHCD専門家を認定しています。
機構のHPでは、HCDについて以下のように定義されています。
「HCD専門家とは、HCDに関するコンピタンスを適切に備えた人」
関連する「人間工学」に関する資格は以下の記事で紹介しています。
受験資格
受験をするのに資格は特に必要ありませんが、以下のように案内されています。
人間中心設計専門家(認定HCD専門家)
人間中心設計・ユーザビリティ関連従事者としての実務経験が、5年以上あること。
人間中心設計・ユーザビリティ関連従事者としての実務経験が、2年以上あること。
また、専門能力を実証するための実践事例が3つ以上あること。
審査の基準
機構のHPでは、以下の4点が審査基準として記載してあります。
①人間中心設計に関わる調査を企画、実施して、結果をデザイン・設計に反映させることができるか。
②所属する会社や組織のなかで、人間中心設計のプロセスを回すことができるか。
③ユーザビリティや人間中心設計にかかわるプロジェクトや組織を運営することができるか。
④ユーザビリティや人間中心設計にかかわる十分な知識を持っているか。
審査方法
人間中心設計専門家/スペシャリスト認定は、HCDに関するコンピタンスの評価によって認定を行われます。
コンピタンスとは、「専門業務の遂行に必要となる、能力・技能・知識」のことです。
試験のスケジュール
専門家・スペシャリストとも、毎年1回おおよそ同じスケジュールで募集されます。
9月~11月 受験者説明会開催
ここ数年は、受験者説明会が頻繁に(2か月で5,6回程)開催されるようになりました。
また、コロナ禍を経て、Webセミナー形式で開催されています。
参加費は無料ですので、受験を考えた際に手軽に参加できます。
11月中旬~12月初旬 受験申請・受験料支払い
受験料は専門家・スペシャリスト共に12,000円です。
※合格すると登録料や維持費が別途発生します。
翌年1月中旬 審査書類提出締め切り
年末年始をはさんで書類を準備し、年明けすぐに締め切られます。
審査書類はかなりの文字数を記載することになるため、申請をする前からある程度準備をしておくと年末年始にバタバタすることがなくて良いです。
3月末 合否発表
機構のHPに合格者の受験番号が記載されます。
合格後
資格の登録維持費として支払いがあります。
また、専門家・スペシャリストとして機構のHPに所属会社及び氏名が記載されます。
以上のステップを踏んだのちに、晴れてHCD専門家もしくはスペシャリストと名乗ることができるようになります。
また、資格は期限がありますので、常に継続してHCDの活動に取り組む必要があります。