人間工学に関する資格ってどうやってとるの?と思っていた2年前。
2019年に日本人間工学会の認定制度である認定人間工学準専門家になりました。
"準"専門家であるため、今後専門家の認定にチャレンジ予定です!
数年遅れですが、備忘と紹介の意味も込めて、取得の体験を綴ります。
認定人間工学専門家については下記を参照
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1.なぜ取得しようと思ったか
ユーザーにやさしいモノづくりをしたいという意志のもと、メーカーに就職しました。しかし、社内でそういったことの学びの場があまりないと感じていました。
そんな中で、人間工学、ユーザービリティ、UX/UI、デザイン、等をWebで調べていた際に、本認定制度の発見・挑戦に至りました!
2.取得前の状態
・中学卒業後、高等専門学校(高専)にて5年間、工学分野を幅広く勉強
・高専の専攻科にて2年間、人の五感を使った視聴覚システムの検討を実施
・大学院(修士)にて2年間、人の聴覚に関する生理学的な研究を実施
・大学院修了後、住宅系メーカーに就職し、システム部門に配属され2年半が経過
システム部門では、会社の商品のエンドユーザーを考慮する機会が少なく、学生時代のの考えからも遠のいていました。
会社では、商品の販売システム開発に携わっており、ユーザーは社内の人間でした。
また、関連する学会への所属はなく、セミナー等の参加経験もありませんでした。
3.取得に向けた動きだし
当該資格は、年に数回試験を実施しており、まずは、Webサイトにて書類の提出締め切り日程を確認しました。
就職後2年半程度の状態で、3つあるレベルのうち取得できるのは準専門家までと判断しました。
準専門家は、過去に学んだ内容の書類審査のみということでした。半月程度で準備できると思い、締め切り1か月前あたりから認定条件や提出書類の確認を始めました。
4.行ったこと
認定条件の確認
下記URLの「受験資格について」部分に自信がどれに該当するか判断するためのフローが用意してありましたので、参考にしました。
私の場合、下記のように。
大学で人間工学に関する専門教育を3年以上受けている
→高専専攻科で2年間、大学院で2年間、合計4年間受けたと判断し「Yes」
実務経験が2年以上ある
→就職後2年半経過しているが、実務で人間工学に触れることがなかったため「No」
⇒認定人間工学準専門家
URL:認定試験情報
https://www.ergonomics.jp/cpe/exam-info/guide
必要書類の記入
下記3点を記入しました。
A-1 受験申込書
B-1 経歴書
C-1 単位習得表
特に書き方に悩んだのがC-1 単位習得表です。
私の場合は下記の受験資格に該当します。
大学学部を卒業し、専門教育を3年以上に渡って12単位以上受けている方。
これを満たすことを証明できるように、関連する授業の単位数を数えながら記載しました。
記載した科目名としては・・・
ヒューマンインタフェース
感性情報工学
人間生体工学
(その他、研究に関する科目)
といった内容です。
「3年以上に渡って」とあるため、高専での2年間と大学院での2年間の合計4年間に受講したものを織り交ぜました。
卒論、修論に関連する単位を含めることができましたので、合計30単位を超えました。
研究内容については、私の場合、学士と修士の論文内容ついて記載しました。
いずれも人間工学に関係する内容でしたので、その旨を短くまとめました。
補足の書類をつけ足しても良いということでしたので、論文の要旨も用意しました。
シラバス、修了証明書の取り寄せ
受講当時のシラバスと卒業(修了)証明書は、上記必要書類とあわせて、提出する書類になります。
高専、大学から各々取り寄せました。
私が卒業した学校の場合、講義の受講から5年以上経っていたものもありますが、Web上でシラバスが閲覧可能でした。
ただ、シラバス記載の単位数に誤りがあり、学校に問い合わせて修正してもらいました。
こういった修正があったり、土日をはさんだりすると、意外と時間がかかります。10日以上の余裕はあったほう良さそうだと感じました。
書類の送付
一式を紙で印刷後※に書類を発送しました。
※2021年現在は、PDFで送付するように変更されたようです。
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5.合格から認定
書類送付から2か月後辺りに、下記の合格者のお知らせに名前が掲載されました。
同時期に送付される書類で資格を登録し、晴れて認定人間工学準専門家に認定されました!
5年ごとに更新が必要のため、維持するには、忘れないようにしないといけません。
URL:合格者のお知らせ
https://www.ergonomics.jp/cpe/specialist/successfullist
6.認定後
変わらずにシステム部門に勤めていますが、認定されることで自信になります!
会報も届きますので、人間工学に関する情報が入ってきやすくなりました。
コロナの影響もありますが、1度だけZoomを使った講演会に参加させていただきました。
他企業の方が自社製品にどのように人間工学を取り入れているか、改めて知ることもできました。
今後は、認定人間工学専門家を目指していきたいと思います。
そのためには、人間工学の理解を深め、自社のシステムや製品へのアプローチについて、考えていく必要があると感じている今日この頃です。
以下記事で関連資格を紹介しています。