色が人に与える影響とは?
私たちの身の回りには様々な色が存在しています。
人がこの色の情報を受け取る際に、様々な心理的な効果がもたらされます。
私は、2019年にカラーコーディネーター3級を取得しました。
その勉強をする中で、どの色が、どのような心理効果をもたらすか勉強しました。
学んでから時間が経った今、改めて考えてみました。
色の役割
色の役割の1つに、「ものを区別する」ことがあげられます。
私たちが普段生活をする中で、色によって区別をしているもの・ことが多々あります。
例えば、以下に示すようなお手洗いのマーク。
男性用が青、女性用が赤となっており、性別の判断が一目で可能です。
シルエットも女性がスカートを履くことで区別しやすくなっています。
もし、色が逆になっていたら、男性用なのか女性用なのか迷ってしまいますよね。
ジェンダーに関する感じ方は、個人ごとに様々ですが、文化的な背景等により、色のイメージが形成されます。
その他、色により区別できる例として、以下のようなものがあげられます。
・信号の状態
・食品の鮮度
・人の顔色
・植物の成長度合い
・天気(空の色)
・PCの電源の状態
・スマートフォンの通知
また、色は物の見た目の美しさも左右します。
ブログのデザインも、同じテンプレートを使用したとしても、色の違いにより印象は大きく変わりますよね。
このように、私たちの生活に馴染んでいる色には様々な役割があります。
色の三属性と心理効果
色が与える印象は、色の三属性である以下の3つに依存することが多いです。
色相(色みの種類)
寒暖感は、主に色相によって決まります。
暖色系と言われる赤やオレンジは温かく感じます。
寒色系と言われる青や空色は冷たく感じます。
緑や紫は、どちらにも該当せず、温かくも冷たくもない色です。
以前紹介した、水道の蛇口のお湯と水の判別は、色で表現されることが多いです。
お湯は温かいため赤、水は冷たいため青となり、ほとんどの商品は、この感覚に沿った色付けになっています。
明度(明るさ)
重量感は、主に明度によって決まります。
白や黄色などの明るい色(明度の高い色)は軽く感じます。
黒などの暗い色(明度の低い色)は重く感じます。
ルイス・チェスキンは、「役立つ色彩」(1954年)の中で、商品を入れた黒い箱を緑に塗り替えたところ、運搬業者の疲労度が軽減したという報告をしています。
実際は軽くなくとも、「軽く感じる」ことで人が受ける影響は異なってくるようです。
私の身近なところでも、工場で働く方や運送業者が製品や部品を運ぶ際に、梱包の色を考慮することで、負荷が軽減されるかなと思いました。
彩度(鮮やかさ)
地味・派手感は、主に彩度によって決まります。
赤のような色は、彩度が高く派手な印象です。
グレーのような色は、彩度が低く地味な印象です。
彩度が高い暖色系の色は、特に人の目を引く性質があります。
このように目を引く色は、企業の商品のパッケージやロゴなどに活用されています。
以下の記事にて、視認性の良い登山服の色について紹介しています。
まとめ
私が勤務する住宅設備のメーカーで考えてみると、
台所の棚の扉色は、多くのバリエーション(数百色)が用意されています。
システムを構築する際には、その分手間がかかるため、本当にこんなに必要か?と思うこともありました。
しかし、お客様にとって、色を見て受ける印象や、家に入った時の感じ方は十人十色。
たくさんの選択肢の中から、自分にとって良い印象を受ける色を選択できることは、改めて顧客視点で良いことだと感じました。
数百種類あるにも関わらず、一度も出荷されたことがない色は、なさそうでした。
どの色も、どこかでお客様の目に留まり、良い印象を与えていたと思うと嬉しくなりますね。
色が与える効果を利用して、社内業務や商品開発に役立てることも重要だと感じました。
本記事執筆にあたり、以下の書籍を参考にさせていただきました。
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