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【良い見た目だが使えないもの?】意匠性は良いが実用性に欠けるスイングドア

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意匠性と実用性

 

素敵なデザインだけれども、実際に使おうとすると使えないもの…って周りにありませんか?

 

本からデザインを学ぶ中で面白い内容がありましたので紹介します。 

 

 

スイングドアのデザイン

D.A.ノーマンの「誰のためのデザイン」の中では、魅力的な見た目であるが、実用性が考慮されていない”ドア”について言及されていました。

 

下記のようなスイングドア(ウェスタンドア)ですが、お店で見かけることもあるかと思います。

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真ん中を押せば奥に開くことは感覚的、経験的に分かります。

 

実用性に欠ける場合

さて、そのようなドアが横に複数並んでいる場合を想像してください。

 

更には、見た目も考慮され、下記のような場面をイメージをしてください。

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実際に見かけることはあまりないと思いますが、上述した本では、郵便局であったこのような例が紹介されていました。

 

極端な例になりましたが、これだとドアのどこを押せば開くか分かりますでしょうか

 

 正解は各々のドアの真ん中になりますが、分かりにくかったのではないでしょうか。

 

ここを押してというような明確な(PUSHのような)表記もなければ、真ん中の隙間から奥の景色が完全に見えません。

 

本の中では、誤って支軸の方を押していたために、ドアが開かなかったという経験が記されていました。

 

支軸側には、通常「蝶番」が見えますが、デザインに凝りすぎることで、この蝶番が隠れてしまうこともあり得ます。

 

つまり、見た目に凝るがゆえに、使う人がどのように使えば良いかというヒントさえも隠れてしまいます。

 

デザイナーは、美的な面には考慮していますが、実用的な側面は考慮の外だったのかもしれません。 

 

ものをデザインするときには、実用性も意匠性も担保できるようにしたいですね。

 

実用性に欠けるデザイン例

同時に挙げられていた例の中に、「マゾヒストのためのコーヒーポット」というものもありました。

 

あえて実用性を欠くように作られた芸術作品です。

 

クスっと笑ってしまうような見た目ですので、気になった方は「マゾヒストのためのコーヒーポット」で検索をしてみてください!