客「洗濯機が動かなくなったのですが…」
担当者「これはここのボタンを押して動かせるものです」
客「ちゃんと動きました!でもそういう使い方は知らなかったです」
企業のお客様センターにはこういった問い合わせも多いのではないでしょうか。
実際には壊れていないが、ユーザーが使い方を誤っているケースです。
このようなことがなぜ発生し得るのか、考えてみました。
ユーザー自身が誤使用に気づいていないことが原因の1つ
店に売ってある電化製品は、取扱説明書が付いており、特定の使われ方を想定しています。
しかし、製品が購入され、ユーザーのもとへ行くと、使われ方は十人十色です。
基本的な使い方は、説明書通りであることが多いですが、製品が置かれた環境、ユーザーの状況などにより、微妙に変わってくるでしょう。
ここで「電子レンジ猫訴訟」と呼ばれた話を思い出しました。
濡れた猫を乾かすために、電子レンジの中に入れて温めたところ、死んでしまいました。
「電子レンジに猫を入れてはいけないということが、取扱説明書に書いていない」
…というところから、メーカーを訴えたというお話です。
PL法(製造物責任法)の説明の際にもよく出てくるお話ですね。
この例は極端ですが、普通に考えると誤使用だと分かりそうなことでも、ユーザー全員が分かっていることではないということを企業側が認識することが重要だと感じます。
「使いにくさ」は誤使用が原因となっている?
私は行うことによって左利きであったり、右利きであったりします。
例えば、文字を書くことや、ラケットを使う球技は右です。
お箸を持つことや、ボールを投げるのは左です。
そのような中の小学校時代、左利き用のハサミを買い与えられましたが、右手で使っていました。
すると、薄い紙1枚でも全く切れない…。
別のハサミ(右利き用)に変えてみると簡単に切れる。
自分のハサミは壊れているんだろうと思い、結局使わなくなりました。
後々になり、「左利き用のハサミ」が存在することを知り、これを右手で使うと切れないようになっているということ知りました。
このように、使いづらさを感じた際には、誤使用が原因となっている可能性もあります。
まとめ
物が増えてきた現代、ユーザーも多様化しており、ユーザーの行動も複雑怪奇なものとなっています。
開発の段階で、想定される使い方をより多く検証することが、誤使用を防ぐことに貢献するものだと改めて感じました。