人は知らずのうちに外界からの音を取捨選択している?
遠くから自分を呼ぶ声がすると、町の雑踏の中でも気づけるものですよね。
これは、自分に不要な情報(雑踏の音)の中から必要な情報(自分を呼ぶ声)を選択していると考えられます。
このような現象を、カクテルパーティー効果といいます。
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カクテルパーティー効果とは
音声情報を無意識に選択して聴き取ることです。
イギリスの認知心理学者であるコリン・チェリーによって提唱されました。
人は、カクテルパーティー会場のように、大勢の人がバラバラに話している場所でも、自分に関連のある情報は聴き取ることができる傾向があります。
日常生活に活かす例を紹介します。
カクテルパーティー効果を日常で活かす例
例1 相手の名前を意識的に呼ぶ
営業の現場等で、人に訴える際に、会話の中で意識的に相手の名前や社名を入れます。
そうすると、相手は「自分に向けられたことである」と意識し、情報を拾いやすくなり、関心が高まります。
教育現場では、教師が学生全体に向けて発信することが多いですが、当事者意識が芽生えず、眠くなってしまう授業も多々ありますよね。。。
授業中に特定の学生に回答を指名することや、説明の例えで学生の名前を出すことは、学生にとっての意識付けとなり得ます。
また、1人から多数に情報を向ける塾に対して、1人から1人に向ける家庭教師が時として有用なのも、カクテルパーティー効果のおかげなのかもしれません。
ビジネスだけでなく、日常の人間関係の中でも大事なことですね。
例2 アンテナを広くはる
これまで自分には関係ない情報(ノイズ)に聴こえていた内容も、価値ある内容に変えることができます。
昨今のビジネス用語はアルファベットで略して示されるものが多いです。
例えば、DX、RPA、RFP、BCP、CX、KPI、PDCA、などなど。
これらも意味を理解することで、これまで見向きもしなかった情報を取り入れやすくなります。
例3 運転中は脇見に注意
聴覚だけでなく、視覚も同様に、自身の関心事項に注意が惹かれることがあります。
車を運転中に歩道を歩いている知人を見つけた場合は、そちらに注意が向いてしまうと思います。そうすると前方への注意が散漫となり、事故につながる恐れもあります。
このように、私たち人間は、無意識のうちに必要な情報を選別して、外界から取り込んでいます。
このようなカクテルパーティー効果、多くの事に応用できそうですね。