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【迷わせるガスコンロのスイッチ】どこを押せばどこが点くの?

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ガスコンロのスイッチ、どれを押せばどこか点くの?

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ガスコンロ

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現在のガスコンロスイッチ

ガスコンロには、2口や3口など、バーナーの口数に違いがあります。

同時に調理を行うことが多い場合には、口数の多いコンロが便利ですが、あまり調理をしない人にとっては省スペースで済んだほうが良いこともあります。

また、昨今ではグリルやオーブンの機能が付いた商品も増えてきました。

 

さて、このようなガスコンロですが、当然バーナーに点火するためのスイッチがあります。

ここで問題です。写真のコンロの上のバーナーを動作させるスイッチはどれでしょうか?

 

なんとなく想像はつくかもしれませんが、正解は左から2番目のスイッチです。

4つスイッチがあることで真ん中2つのどちらかで迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

スイッチと機能の位置関係は下図のようになります。

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ガスコンロ機能とスイッチの位置関係

 日本のメーカー製のガスコンロは、3口でグリルが付く場合、ほとんどがこの位置関係になっているようです。

通常目にする位置関係のため、慣習的に知っている方も多いと思われます。

 

 

4口ガスコンロのスイッチの課題

では、4口コンロではどうなるか?

日本の主流は3口ですが、海外では4口のコンロが使われることが多いようです。

 

4口のコンロを探したところ、リンナイ株式会社にて、下記のような4口のコンロ(グリル無し)を販売しているようです。

 

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感想(1件)

日本のメーカーのほとんどは、下記のようなスイッチとバーナーの位置関係です。

スイッチはバーナーの下に横井列に並び、左から順に

左下、左上、右上、右下のバーナーに対応します。

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4口コンロ標準スイッチ位置

 ボタン①で左側のどちらかのバーナーが点くことは分かっても、左上か左下かははっきりと分からないかもしれません。

 

そのため、下記のようにボタンの横に、各々のボタンがどのバーナーに対応しているかを示す図が記載されていることが多いです。

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商品上の指示表示

できることならば、ボタン横のサイン無しで判別できるようにしたいもの。

 

 デザインに関する参考図書「誰のためのデザイン」(ドナルド・A・ノーマン著)のなかでは、この問題が取り上げられています。

バーナーとボタンの対応付けを考慮して次のような案が示されています。

 

改善案1 各々のバーナーの横にボタンを設置する

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バーナーの横にボタンを設置

バーナーとボタンが接近しており、対応付けが分かりやすいです。

しかし、火元の近くにスイッチがあり、安全面が気になるところです。

 

改善案2 ボタンを左隅にまとめ、4つの位置関係を保つ

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左隅にまとめてボタンを設置

上下左右の位置関係が保たれ、こちらも対応付けが分かりやすいです。

スイッチ部分が若干幅をとってしまいそうですかね?

 

改善案3 バーナーを横にずらして横方向の順序を明確化する

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バーナーを横方向にずらす

横並びのスイッチは変えずにバーナーをずらすパターンです。

対応付けは分かりやすいですが、②と③が近接するのと、①と④の間にスペースができました。コンロ全体の間口も考慮する必要がありそうです。

 

このように、ユーザーにとって分かりやすい「対応付け」をすることもモノづくりをするうえで重要ですね。