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【当事者意識の重要性】障がい者、障碍者、障害者 どれが良い?

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今年の東京パラリンピックでは、たくさんの選手が活躍されていました。

 

同時に、様々な「障がい」を持った方がいることも分かります。

 

報道でたくさん目にする「しょうがい」という言葉。

 

「障がい、障碍、障害」のように色々な文言が使われることがあります。

 

実際どのように表記するのが良いのか、考えてみました。

 

 

 

 

どのように記載するか実際に決まりはない

以前は、「障害」が使われることが多かったですが、最近は「障がい」をよく見かけるようになりました。

 

しかしながら、国や自治体が出す表示は、「障害者手帳」、「障害者スポーツ」のように、必ずしも全てが平仮名に置き換わっているわけではありません。

 

国が出すような明確な決まりというものは無いようです。

 

ただし、自治体によって決まりがある場合があります。

 

例えば以下のように、都道府県の告知情報の表記についても検討・実施されています。

www.pref.mie.lg.jp

www.pref.tokushima.lg.jp

 

障害者から障がい者になった背景

さて、「障害者」と記載されてどいういったことを感じるでしょうか?

 

色々なサイトの情報や文献を読みますと、害という文字のイメージが悪く、平仮名で記載するようになったということが述べられています。

 

害という文字が使われる場面を挙げてみますと…

 

公害、害虫、被害…というマイナスのイメージの言葉を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 

当事者の方から、こういった要望があったため、平仮名表記の「障がい者」記載が普及していったようです。

 

また、「障碍者」という記載に関しては、「碍」という文字が常用漢字ではないことから、用いられにくいという背景もあるようです。

 

障がい者の中でも意識は様々

障がい者」という記載になったことで、全ての障がい者の方が満足しているわけではありません。

 

以下は、NHKの調査資料です。

https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/pdf/20200401_3.pdf

 

当事者団体へ聞き取り調査を行っていますが、社会的な不利は、社会のバリア(障壁)によって生じるものであり、それを象徴する「障害」という表記を変える必要はないという意見もあります。

 

このように、正解がないため、状況や環境により、臨機応変に対応していくことが求められそうです。

 

当事者なしでの議論にならないことが重要

このような議論をする際に、障がい当事者を抜きにして議論することがないように注意しなければならないと感じました。

 

有識者だけが集まり、何らかの見解が得られたとしても、それは当事者に受け入れられないことも多いと思います。

 

ものづくりにおいても同様のことが言えます。

 

実際のユーザーの意見を取り入れず、企業や担当者の一人よがり的な商品は売れません。

 

ものを売る側、決め事を決める側は、当事者の声に耳を傾けることが重要だと感じました。

【業務の押しつけ?】負担が偏るオフィスの電話対応について検討

電話には、誰も出んわ……?

 

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会社のおける「電話対応」

 

企業によってそのあり方は様々ですが、部署の雰囲気が良くも悪くもなる要因になることがあります。

 

個人宛の電話はほとんどの方が取るでしょう。

 

しかし、「代表電話」はいかがでしょうか?

 

 

部署の代表番号で電話が鳴った時、どのように感じますか?

「誰かが出てくれるだろう」

「3コール鳴って誰も出なかったら出よう」

「新人や若手が出てくれよ」

「鳴りやまないかなあ」

「自分が出よう」

「面倒だなあ」

「どうすればいいのだろう」

「自分の業務を中断したくない」

「サッ…」(席を立つ)

 

感じ方は様々あると思いますし、企業ごとにルールが存在する場合もあるでしょう。

 

しかし、鳴り響く電話を誰も取りたがらないときの部署の雰囲気は良いものではないでしょう。

 

そこで今回は、生じる電話のパターンを洗い出し、問題を検討してみます。 

 

電話のパターン

電話をかけてくる方は、社内の人間、もしくは社外の取引先(お客様)に分類されます。

 

電話を受ける際には、担当者の個人番号(個人内線、社用携帯)で受ける、もしくは部署の代表番号(代表内線、外線)で受けることに分類されます。

 

以下のように場合分けをして考えてみます。

 

社内 → 担当者の個人番号

問い合わせをする際に、問い合わせ先に個人が設定されている場合が該当します。

その担当者のみができる業務であることもあるでしょう。

問い合わせ先に設定されておらずとも、初めから信頼できる担当者個人に聞くという場合もあると思います。

何度も電話していると信頼関係も生まれ、「また何かあった際にはよろしく」という雰囲気にもなりますよね。

 

社内 → 部署の代表番号

問い合わせをする際に、問い合わせ先の部署全体が窓口となっている場合が該当します。

問い合わせの中には、システム全般に関すること等、ざっくりとして切り分けができない内容のものもあります。

部署全体として受け付け、電話を受ける担当者からより詳しい担当者へ引き継がれることもあります。

 

社外 → 担当者の個人番号

社外の窓口として、担当者の個人番号を伝えている場合が該当します。

営業の現場では、お客様と名刺交換することも多く、担当者個人が窓口を受け持つことが多いのではないかと思います。 

 

社外 → 部署の代表番号

スタッフ部門では、上述した社外 → 担当者の個人番号よりも、こちらが多いのではないかと思います。

名刺に記載されるのも、部署の代表番号であるため、それを見て電話してくる方も多いでしょう。

また、先方に会社の電話番号を伝えるときにも、部署の代表番号を伝える方は多いのではないでしょうか。

コールセンター等はこちらに該当しますが、自動で個人に割り振る機能などもありますね。

 

代表電話への対応は誰が行うか?

上述した中で、個人ではなく、代表電話にかかってきた電話は誰が取るのが良いのでしょうか?

 

これについては、正解は無いと思います。

 

しかしながら、全員で率先してとると決めていても、実情は特定の誰かに偏ってしまうことが多いのではないでしょうか。

 

新入社員が入ってきた際には、業務の一環として、電話を取らせるということもあるでしょう。

 

しかし、若手だから、事務職だから、女性だからということで、電話対応を依頼される(もしくは押し付けられる)こともまだまだあると思います。

 

これに対していくつか対策を検討しました。

 

電話対応業務の負荷の偏りを減らすには

優しい人や気の弱い人のみが負担するということは避けたいですよね。

 

代表電話番号自体を無くす

部署全体の電話番号を無くすことが、最も現実的かもしれません。

 

部署全体にかかってくる電話を無くすことで、個人の番号しか存在しなくなります。

 

こうすると、かける側で相手を指定するため、受ける側は特定の個人となります。

 

「部署全体の業務」というモヤッとしたものがなくなります。

 

 ただし、社外への見え方や、問い合わせ先を整備しないと、誰に電話すると良いか分からなくなりますので、ある程度環境整備が必要です。

 

電話をやめる

例えば、チャットボットのような機能を活用できれば、必ずしも電話である必要はありません。

 

しかしながら、文字だけでは分かりづらく、会話しないと分からないことは多く、現在はあまり現実的ではないかもしれません。

 

当番制にする

部署の規模によっては、月曜日はAチーム、火曜日はBチームが担当するというようにしても良いかもしれません。

 

現代の社会では、多くの会社が電話を使って業務をしています。

 

部内での負担の偏りを減らし、全員ができるだけ気持ちよく業務に取り組める環境でありたいものです。

【ユーザー視点】毎日の入浴、浴室に求めることとは?

浴室に求めるものとは?

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日常生活の一部として、「お風呂に入ること」は当たり前のことになっていると思います。

 

しかし、毎日湯船に浸かる文化があるのは、日本のみだそうです。

 

諸外国では、シャワーで済ませるなどで、湯船に浸かるという文化がないようです。

 

このことは、私が「入浴検定」という資格の勉強をした際に使用した、以下の書籍に記載されています。

入浴検定公式テキスト お風呂の正しい入り方 [ 早坂 信哉 ]

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それでは、なぜ日本人がお風呂に入る(湯船に浸かる)のか考えてみたいと思います。

 

 

 

人がお風呂に入りたい(湯船に浸かりたい)のはなぜ?

身体を綺麗にするというのであれば、シャワーのみでも良さそうです。

 

湯船に浸かることで、保温・保湿効果や血行の促進等、良いことはたくさんあります。

 

しかし、それ自体が、入浴する理由と言われると、若干違うのではないだろうかと思います。

 

入浴することは、生活するために必要なことというより、「娯楽」の要素が強いのではないかと考えます。

 

高齢者の方で、お風呂に入らずに身体を綺麗にする手段があったとしても、湯船に浸かりたいという方は多いのではないかと察します。

 

「浴室」にユーザーが求めることを考察

さて、そのようなお風呂を形作る「浴室」について、ユーザーが求めることを検討しました。

 

長く使えること

お家に入る設備は、一生ものだと思って購入すると思います。

 

数年、数十年先も、買ったときと同じように使えるということは重要なポイントになるでしょう。

 

また、物理的に劣化はしなかったとしても、住む人の状況や時代の流行は刻々と変わります。

 

そのような変化に応じて、リフォームをして手すりを付ける等の必要性も出てきます。

 

私たちと同じで、家も歳を取っていくという感じですね。

 

お手入れ性が良いこと

浴室は毎日使う場所です。

 

そのため、常に綺麗に保ち、見た目も良くして、リラックスしたいものです。

 

個人的に、お風呂の掃除は、家の掃除の中でもトップレベルに大変なことだと感じます。

 

水回りということもあり、汚れやすく、気を使って掃除をしなければならない箇所もあります。

 

そんなお掃除が簡単にできるとどれほど楽なことかと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

全自動で掃除をしてくれるものや、そもそも汚れないような部材や作りにする…等、色々な面から検討できますね。

 

暮らしを楽しむこと

上述したような、娯楽の側面を持つ入浴行為ですので、工夫次第で色々なことが考えられますね。

 

昨今では、壁柄やバスタブにも様々な色や柄が出てきました。

 

その家ならではの空間に仕上がると思います。

 

シャワーや、ミラー、棚、等も浴室を構成するアイテムですので、考慮できそうです。

 

ただし、家族・生活の状況や性格によっては、こういったことを求めていない場合もあると思います。

 

設備が使いやすいこと

毎日使うものですので、使いやすさは良いに越したことはないと思います。

 

動線を意識したつくりであったり、物の配置なども重要だと感じます。

 

高齢者や障がい者にとっては、バリアフリーの設備(手すりやいす)もあるとなお良いかもしれません。

 

まとめ

私自身、毎日浴室を使用しますが、求めていることを改めて文字に書き出してみると、結構あるなあという印象です。

 

ユーザーの一人として、自分が何を求めているのか、定期的に考えていきたいと思う今日この頃です。