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【迷わせるUI】メール作成時の入力キャンセルのキャンセルとは?

キャンセルをキャンセルするとは?

 

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 PCやスマートフォンでメールを送信しようとしている際に、やっぱりやめた!と途中でキャンセルしたい時がありますよね。

 

当たり前に操作して、キャンセルできる方も多いと思いますが、画面を細かく見ていくと、ユーザーを悩ませる表記があります。

 

 

 

iPhoneのメール作成時の文字入力キャンセル

iPhoneで、メール作成時に文字入力をキャンセルする際には、以下のような画面が表示されます。

 

文字を入力中の画面の左上には、キャンセルボタンが常駐しています。

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入力の途中でキャンセルボタンを押すことで、下記の画面に遷移します。

 

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各ボタンを押下した際の動作は下記の通りです。

 

下書きを削除

途中まで入力していた内容を完全に削除

 

下書きを保存

途中まで入力していた内容を下書きとして保存

 

 キャンセル

直前の操作を取りやめる

この場合は、入力をキャンセルしたことを取りやめ、入力途中の画面に戻る

 

すなわち、入力キャンセルしたことをキャンセルするということになります。

 

ちなみに、はてなブログの記事は、自動保存になるため、入力をキャンセルするボタンは無いかなと思います。

 

キャンセルボタンに惑わされる?

さて、このキャンセルボタンを押下したときですが、直感的にどういった挙動になるか分かりにくいと感じる方もいるのではないしょうか?

 

「下書きを保存」と「下書きを削除」に関しては、この文言だけで動作の内容が分かる方も多いと思います。

 

一度キャンセルボタンを押下した後に出てくるキャンセルは、何をキャンセルするのか?…この画面だけでは分かりづらいですよね。

 

システムによっては、キャンセルとは別に「取り消す」という文言が使用されることもありますね。

 

例えば、以下のような文言も活用できるかなと思います。

 

「取り消し」

「操作を取り消し」

「入力に戻る」

 

多少、冗長化されますが、ユーザーをうまく誘導することができるかもしれません。

 

ただ、ボタンに納まる文字数の制約などもありますので、その他の制約を考慮したうえで検討したいですね。

 

キャンセルを聞かれなくとも不便な場合も

私が業務で使用しているメールソフト Outlookの場合、途中まで入力したものを削除すると、自動で下書きに入ってしまいます。

 

本当に不要なものまで下書きとなるため、削除に手間が生じてしまいますね。

 

キャンセルするか否かは聞かれませんが、これはこれであまりよくない作りだと感じます。

 

このように、日頃何気なく使っており、慣れてしまっていることはたくさんあります。

 

しかし、初見の人から見ると、理解が難しかったり、使いづらいものであることもあります。

 

物やシステムをデザインする際には、使い慣れていないユーザーにとって分かりやすくなっているか、意識していきたいものです。

【書籍紹介】人間工学やデザインを勉強する中でおすすめの書籍

私が勉強用に実際に読んでいる書籍を紹介します。

 

 

①誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論(D.A.ノーマン)

1990年ごろに初版が発行され、25年後の2015年に改訂版が発行されました。

 

人が物を使う際に、どのようなプロセスを経ているのか、人の特性を絡めて紹介してあります。

 

本当に人に分かりやすいデザインとは何なのか言及してあり、私は教科書の一つとして利用しています。

 

ブログの中でもいくつか例を紹介させていただいています。

 

初版から時代が変わった際に、技術や例を刷新しているものの、考え方は当時から変わっていないようです。

 

誰のためのデザイン?増補・改訂版 認知科学者のデザイン原論 [ ドナルド・A.ノーマン ]

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(2021/6/20 14:38時点)
感想(0件)

 

 

②人間中心設計入門(山崎ら)

私が勉強している、人間中心設計の入門用の書籍です。

 

人間中心設計とは何なのか、イラストを用いて分かりやすく説明されています。

 

シリーズのうちの0巻で、最も初歩的な内容です。

 

私もまだまだここから学びを進めている段階です。

人間中心設計入門 人間中心設計を基本にユーザビリティ、ユーザエクスペ (HCDライブラリー) [ 山崎和彦 ]

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以下で紹介させていただいた、人間中心設計(HCD)専門家の機構にて、参考図書として紹介されています。

ergonomics.hatenablog.com

 

 

③トコトンやさしい ユニバーサルデザインの本(宮入賢一郎) 

ユニバーサルデザインに関する書籍です。

 

実例を用いて分かりやすく、ユニバーサルデザインが紹介されています。

 

 

トコトンやさしいユニバーサルデザインの本第2版 (B&Tブックス) [ 宮入賢一郎 ]

価格:1,540円
(2021/6/20 14:51時点)
感想(0件)

 

以下で紹介させていただいた、ユニバーサルデザインコーディネーターの参考図書になっています。

ergonomics.hatenablog.com

 

【登山服の視認性】遠くからでも分かる色は?

遠くからでも分かる登山服の色は?

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私自身、幼少期から登山好きの親戚に山に連れて行ってもらうことが多く、現在も登山を1つの趣味にしています。

 

この登山ですが、始めるのであれば、それなりに装備が必要になってきます。

 

どんなに小さな山に登るとしても、ザック、帽子、靴、ウェア、水筒等は必需品ですね。

 

加えて、雨具、ライト、地図ケース、ストック…等でしょうか。

 

今回の記事では、ウェアの色について言及してみたいと思います。

 

 

 

 

山岳遭難が多発している現状

このコロナ禍で密を避ける楽しみ方の一つとして、登山が注目されるようになってきました。

 

それとともによく目にするようになってきたのが、遭難のニュース。

 

自力で下山できるケースや、救助隊により救助されるケース、滑落によりけがを負ったり、最悪の場合は死亡するケースもあります。

 

遭難しないことが前提ですが、もし遭難してしまった場合、ウェアの色は重要になります。

 

山の中で目立つ色は?

遭難して救助を待つ場合、山の中にいる自分を見つけてもらう必要があります。

 

GPS機器を持っている場合は、ある程度まで場所の特定ができるかもしれません。

 

しかし、ヘリからの捜索であったり、登山道からの捜索であったり、いずれにしても人が目視して捜索します。

 

その時に山の背景に同化する色だと気づかれない恐れがあります。

 

山の自然の緑や、岩場のグレーの中では一体どのような色が目立つのでしょうか。

 

以下の記事の中で、実際の山の中でどの色が目立つかテストされています。

yamahack.com

 

やはり、赤、黄色という暖色系の色は目立つようですね。

 

加えて、青も目立つようです。

 

天気や時間帯、場所によって背景はかなり変わるため、一概にどの色が目立つとは言えなさそうですね。

 

一方で、モノトーンやアースカラー系にすると、目立たなくなるため、避けたほうが良さそうです。

 

ちなみに私は、ウェア、雨具、ザックカバーは、黄色や橙を選んでいます。

 

色によるスズメバチ対策

登山の際に気を付けたいことの一つとして、スズメバチ対策があります。

 

第一に、巣を見かけたら近づかないことが重要ですね。

 

次に、スズメバチ黒系の色に対して攻撃性を示す、と言われていますので避けたいです。

 

靴や帽子は黒系になることも多いと思いますが、ウェアは考慮したいですね。

 

普段着や仕事着では、白や黒の服が合わせやすいためよく選んでしまいます。

 

しかし、登山時には服を楽しむということに加えて、視認性の観点からも、派手な色を選んでみてはいかがでしょうか。